言葉の力

世界各国の名言ブログ。作品・名言集。 太宰治 宮沢賢治 夏目漱石 ロバート・フロスト ミケランジェロ ナポレオン・ヒル ベンジャミン・フランクリン ロダン ほか 「森を歩いていると 2つの分かれ道に出会った。 私は足跡の少ない方の道を選んだ。 それが今の私を形成している。」 ロバート・フロスト

太宰治名言

太宰治



自分には幸福も不幸もありません。
ただ、一切は過ぎて行きます。
自分が今まで阿鼻叫喚で生きて来た
所謂『人間』の世界に於いて、
たった一つ、真理らしく思はれたのは、
それだけでした。
ただ、一さいは過ぎて行きます


『人間失格』


人間は恋と革命のために生まれて来たのだ

『斜陽』


死のうと思っていた。
ことしの正月、よそから着物を一反もらつた。
お年玉としてである。
着物の布地は麻であつた。
鼠色のこまかい縞目が織りこめられていた。
これは夏に着る着物であらう。
夏まで生きていようと思つた

『葉』


愛することは、いのちがけだよ

『雌について』


本当の気品というものは、
真黒いどっしりした大きい岩に白菊一輪だ

『津軽』




騙される人よりも、
騙す人のほうが、数十倍苦しいさ

『かすかな声』


わが身にうしろ暗いところが
一つも無くて生きていく事は、
不可能だと思いました

『ヴィヨンの妻』


人非人でもいいじゃないの。
私たちは、生きていさえすればいいのよ

『ヴィヨンの妻』


信じられない。僕の疑惑は、
僕が死ぬまで持ちつづける

『新ハムレット』


好奇心を爆発させるのも冒険、
また、好奇心を抑制するのも、
やっぱり冒険、どちらも危険さ。
人には、宿命というものがあるんだよ

『お伽草子』


あなたに助けられたから
好きというわけでも無いし、
あなたが風流人だから
好きというのでも無い。
ただ、ふっと好きなんだ

『お伽草子』


疑いながら、ためしに右へ曲るのも、
信じて断乎として右へ曲るのも、
その運命は同じ事です。
どっちにしたって
引き返すことは出来ないんだ

『お伽草子』


あなたはさっきから、乙姫の居所を
前方にばかり求めていらっしゃる。
ここにあなたの重大なる誤謬が
存在していたわけだ。
なぜ、あなたは頭上を見ないのです。
また、脚下を見ないのです

『お伽草子』




そうして、浦島は、やがて飽きた。
許される事に飽きたのかも知れない。
陸上の貧しい生活が恋しくなった。
お互い他人の批評を気にして、
泣いたり怒ったり、
ケチにこそこそ暮している陸上の人たちが、
たまらなく可憐で、そうして、
何だか美しいもののようにさえ思われて来た

『お伽草子』


しかし、私は陸上の人間だ。
どんなに安楽な暮しをしていても、
自分の家が、自分の里が、
自分の頭の片隅にこびりついて離れぬ

『お伽草子』


他の生き物には絶対に無くて、
人間にだけあるもの。
それはね、ひめごと、というものよ

『斜陽』




不良とは、
優しさの事ではないかしら

『斜陽』




私には、是非とも、
戦いとらなければならないものがあった。
新しい倫理。
いいえ、そう言っても偽善めく。
恋。
それだけだ

『斜陽』


けれども私たちは、
古い道徳とどこまでも争い、
太陽のように生きるつもりです。
どうか、あなたも、あなたの闘いを
たたかい続けて下さいまし

『斜陽』




じぶんで、したことは、そのように、はっきり言わなければ、
かくめいも何も、おこなわれません。
じぶんで、そうしても、他のおこないをしたく思って、
にんげんは、こうしなければならぬ、などとおっしゃっているうちは、
にんげんの底からの革命が、いつまでも、できないのです

『ロマネスク』


生活人の強さというのは、
はっきりノオと言える勇気ですね

『未帰還の友に』




私には、誇るべき何もない。
学問もない。才能もない。
肉体よごれて、心もまずしい。
けれども、苦悩だけは、その青年たちに、
先生、と言われて、だまってそれを
受けていいくらいの苦悩は、経て来た。
たったそれだけ。
藁一すじの自負である

『富嶽百景』


怒涛に飛び込む思いで、
愛の言葉を叫ぶところに、
愛の実体があるのだ

『新ハムレット』


美しさに内容なんてあってたまるものか。
純粋の美しさは、
いつも無意味で、無道徳だ

『女生徒』



真実は行為だ。
愛情も行為だ。
表現のない真実なんてありゃしない

『火の鳥』
wikipedia:太宰治