言葉の力

世界各国の名言ブログ。作品・名言集。 太宰治 宮沢賢治 夏目漱石 ロバート・フロスト ミケランジェロ ナポレオン・ヒル ベンジャミン・フランクリン ロダン ほか 「森を歩いていると 2つの分かれ道に出会った。 私は足跡の少ない方の道を選んだ。 それが今の私を形成している。」 ロバート・フロスト

夏目漱石の名言

夏目漱石


離れればいくら親しくってもそれきりになる代わりに、
一緒にいさえすれば、
たとえ敵同士でもどうにかこうにかなるものだ。
つまりそれが人間なんだろう

『道草』


名前はまだつけてくれないが、
欲をいっても際限がないから
生涯この教師の家で
無名の猫で終る積りだ

『我輩は猫である』




食いたければ食い、
寝たければ寝る、
怒るときは一生懸命に怒り、
泣く時は絶体絶命に泣く

『我輩は猫である』


自分の弱点をさらけ出さずに
人から利益を受けられない。
自分の弱点をさらけ出さずに
人に利益を与えられない

『断片』


私は彼女に向かって、凡てを癒す
「時」の流れに従って下れと云った

『硝子戸の中』


あの懐かしい眼で、優しい眼遣いを
ただの一度でもして頂く事が出来るなら、
僕はもうそれだけで死ぬのです

『明暗』




前後を切断せよ、
妄りに過去に執着する勿れ、
徒らに将来に望みを属する勿れ、
満身の力をこめて現在に働け

『倫敦消息』


僕は死ぬ迄進歩する積りで居る

書簡




記憶して下さい。
私は斯んな風にして生きて来たのです

『こころ』




愛嬌と云うのはね、
自分より強いものを斃す柔かい武器だよ

『虞美人草』


私は只寝ているのではない、
えらい事を考えようと思って寝て居るのである

『文芸の哲学的基礎』


これは私の貴方に対する注文ですが、
その代り私の方でも
この私というものを隠しは致しません。
有のままを曝け出すより外に、
あなたを教える途はないのです

『硝子戸の中』


教えを受ける人だけが
自分を開放する義務を有っていると
思うのは間違っています。
教える人も己れを
貴方の前に打ち明けるのです

『硝子戸の中』




所詮我々は
自分で夢の間に製造した爆裂弾を、
思い思いに抱きながら、
一人残らず、死という遠い所へ、
談笑しつつ歩いて行くのではなかろうか

『硝子戸の中』


私は私の病気が
継続であるという事に気が付いた時、
欧州の戦争も
恐らく何時の世からかの
継続だろうと考えた

『硝子戸の中』


自分の馬鹿な性質を、
雲の上から見下して笑いたくなった私は、
自分で自分を軽蔑する気分に揺られながら、
揺籃の中で眠る小供に過ぎなかった

『硝子戸の中』


然し私自身は
今その不快の上に跨がって、
一般の人類をひろく見渡しながら
微笑しているのである。
今までつまらない事を書いた自分をも、
同じ眼で見渡して、あたかもそれが
他人であったかの感を抱きつつ、
矢張り微笑しているのである

『硝子戸の中』


君、弱い事を言ってはいけない。
僕も弱い男だが弱いなりに死ぬまでやるのである

『森田草平宛書簡』


住みにくさが高じると、
安いところへ引き越したくなる。
どこへ越しても住みにくいと悟った時、
詩が生まれて、画ができる

『草枕』


真面目とはね、君、真剣勝負の意味だよ




のんきと見える人々も、
心の底をたたいてみると、
どこか悲しい音がする

『吾輩は猫である』


恋心というやつ、
いくら罵りわめいたところで、
おいそれと胸のとりでを
出て行くものでありますまい


どうぞ偉くなつて下さい。
然し無暗にあせつては不可ません。
たゞ牛のやうに図々しく
進んで行くのが大事です

芥川龍之介へ宛てた書簡


真面目に考えよ。
誠実に語れ。ひたむきに行え。
汝の現今に播く種はやがて
汝の収むべき未来となって現れるべし




古き道徳を破壊するのは、
新しき道徳を建立する時にのみ許されるものなり


私は冷かな頭で新らしい事を口にするよりも、
熱した舌で平凡な説を述べる方が
生きていると信じています。
血の力で体が動くからです

『こころ』

夏目漱石

夏目漱石とは編集